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歩いて作る地図

「話を聞かない男、地図が読めない女」という本が少し前にベストセラーになりましたが、女性に限らず男性でも地図は苦手という人は多いようです。飛行機の機内から窓越しに下界を眺めれば海岸線や川筋、道路、鉄道などを地図に描かれているような形に俯瞰することができますが地面に立って前方を眺めてみても眼前の光景は地図のようではありません。地図は3次元の立体空間を2次元の平面に置き換えた言わば「空間の見取り図」とも言うべきものなのです。これを読み取るには横方向の眺めを縦方向から俯瞰したように脳内で変換するという作業が必要になるのですから地図が苦手な人が多いのも当然かもしれません。

でも、通行人に道を聞かれた時、ペンとメモ帳を持っていれば口頭で道順を説明するよりも略地図を描いた方が簡単だし分かりやすいですよね。そんな時のために(と言ってもそんな機会は滅多にないでしょうけれど)日頃から地図を描く訓練をしておきましょう。

例えば、自宅から最寄り駅までの地図を描いてみてください。うろおぼえの大まかな地図でかまいません。そしてその地図を片手に駅まで実際に歩いてみるのです。自分がいかに周囲の事物に注意を払わず漫然と歩いていたかを痛感することでしょう。駅からの帰り道では、初めてその道を歩く人でも迷わず家にたどり着けるように要所ごとに目印を書き込むなど、地図を修正しながら歩いてみましょう。

次に、自分が行ったことのない場所までの略地図を市販の地図などを参考にしながら描いてみてください。そして先ほどと同様にその略地図を見ながら目的地まで歩いてみて分かりづらい点などがあれば修正を加えていきます。

上記のようなことを何度か繰り返して自分なりに地図の改良や工夫をおこなっていけばおのずと地図の見方・作り方が身につくかもしれません。ハイテク化・デジタル化が進み便利になった現代だからこそあえて、自分の足で歩き頭で考え試行錯誤を繰り返しながら一枚の地図を作り上げるというアナログ的な手法が価値を持つのではないでしょうか。