日本画と歌舞伎の世界 —革新によって守り継がれた伝統—

編著:石田久美子

発行:求龍堂
発行日:2023/2/23

判型:B5縦変型判(257×188mm)
頁数:208p
製版・印刷:プロセス4C、特色2C(特紫+特黄)、スミ、カバー、帯はマットPP加工
用紙:b7ナチュラル、ニューVマット、OK特アートポスト+
製本:あじろ綴じ並製本

今回ご紹介するのは、石田久美子氏編著『日本画と歌舞伎の世界 革新によって守り継がれた伝統』です。2023年3月12日まで、市川市東山魁夷記念館で開催中の展覧会の公式図録兼書籍です。

2023年は、歌舞伎座が新たな歌舞伎の殿堂として「第五期歌舞伎座」の再開場を叶えてから10年という節目の年を迎え、この記念すべき年に、歌舞伎座では舞台の緞帳も新装されることとなりました。

本書では、松竹株式会社、株式会社歌舞伎座、株式会社川島織物セルコンの協力を得て、歌舞伎座での緞帳開きによるお披露目を前に、横山大観(第一緞帳)をはじめ、安田靫彦、山口蓬春、平山郁夫など日本画家たちの原画をもとに新装される緞帳が紹介されています。

日本の伝統文化の発信拠点として、現代に守り継がれた歌舞伎の殿堂にふさわしく、時代を象徴する日本画家が手掛けてきた歌舞伎座の緞帳は、歌舞伎と日本画の戦後の歩みと発展を知るうえで、極めて重要なテーマ。その緞帳を一堂に見ることができるのは、本書の目玉です。

さらに、十一世市川團十郎と前田青邨、六世中村歌右衛門と橋本明治、十二世市川團十郎と平山郁夫、坂田藤十郎と大山忠作、坂東玉三郎と室井東志生など、名優たちがどのように日本画家たちと交流してきたか、その親交も紹介。

歌舞伎座、明治座、両劇場を彩る珠玉の名品コレクションはじめ、歌舞伎役者と日本画家との交流から生まれた名画。日本画と歌舞伎の世界による日本美の饗宴を通じて、日本が誇る歌舞伎の伝統を支えた革新的な近代日本画の精華を堪能できる充実の一冊です。ぜひご覧ください。

また同展覧会は、2023年3月12日まで市川市東山魁夷記念館にて開催中ですので、ぜひこの機会にお運びください。

担当プリンティングディレクターより

細野 仁

各作品に関しては、それぞれの図版のポイントとなる部分を無理のない程度に強調する事で、視覚的に注目されるように製版致しました。
素描はページ単位で紙地をそろえ、色のばらつきを抑えています。

もっとも大変だったのは緞帳の絵柄で、1950年代~1980年代の褪色している絵柄を、目安になる見本の色味に合わせて蘇らせることでした。

印刷につきましても、階調の潰れが無い程度に盛り込み、メリハリのある図版が表現できたと自負しております。

特別協力:松竹株式会社、株式会社歌舞伎座、株式会社明治座、株式会社川島織物セルコン、公益財団法人 横山大観記念館
デザイン:近藤正之(求龍堂)
編集:深谷路子(求龍堂)

令和4年度特別展「日本画と歌舞伎の世界-革新によって守り継がれた伝統-」|市川市公式Webサイト

このウェブサイト上の画像・文章の転載を禁じます。 歌舞伎座、明治座、両劇場を彩る珠玉の名品コレクションはじめ、歌舞伎役者と日本画家との交流から生まれた名画を紹介します。日本が誇る歌舞伎の伝統を支えた革新的な日本画の精華をお愉しみください。 令和5年1月28日(土曜)~令和5年3月12日(日曜) 10時00分~17時00分(入館は16時30分まで) ※(  )は25名以上の団体料金 …