伝統工芸の名人に会いに行く③ 曲げわっぱ 大館曲げわっぱ

著:瀬戸山玄(せとやま・ふかし)

発行:岩崎書店
発行日:2020/2/28

判型:A4縦変型判(280×210mm)
頁数:48p
製版・印刷:プロセス4C、カバー、表紙はグロスPP加工
用紙:ニューVマット、A2コート
製本:糸かがり上製本

今回ご紹介するのは、瀬戸山玄さん著の写真絵本『伝統工芸の名人に会いに行く③ 曲げわっぱ 大館曲げわっぱ』です。

伝統工芸の職人を取材し、その「伝統」と「技」がわたしたちの身近なくらしの道具にどう生かされているかを知る、写真絵本シリーズ。秋田の天然杉を使用した、大館曲げわっぱの職人さんをたずねます。伝統と新しさ、実用性をかねそなえた伝統工芸品ができるまでを迫力ある大画面で紹介します。

曲げわっぱとは、杉や檜のうすい板を丸く曲げて桜の木の皮(樺)でとじ、底とふたをつけた容器。「わっぱ」とは輪の形をしたもののことで、産地によって「めんぱ」「めっぱ」とも呼びます。

天然秋田杉を用いて作られる曲げわっぱは、耐久性の良さはもちろん、“夏は保冷、冬は保温”と実用的。秋田杉がご飯の水分を吸い、湿気をほどよく保つ事で、わっぱに詰められたご飯は格段の美味しさに。曲げわっぱに詰めるだけで、いつものお弁当がいっそう美味しくなるだけでなく、蓋を開けると広がる杉の香りもお弁当を広げる楽しみとなります。

そんな曲げわっぱの名人である”柴ジィ”こと柴田慶信さんは、独学で曲げわっぱの作り方を学び、現在では様々なニーズに応える気配りを形にした曲げわっぱを作り出しています。息子の昌正(よしまさ)さんも、お父さんの跡を継いで職人となり、親子で毎日真剣に木と向き合っています。

私たちの暮らしを豊かにしてくれる伝統工芸「曲げわっぱ」ができるまでを、丁寧に紹介した素敵な写真絵本です。皆様にも曲げわっぱの素晴らしさがきっと伝わることと思います。

企画編集:栗山淳編集室
装丁・デザイン:大串幸子
製本所:大村製本株式会社