“肉を斬らせて骨を断つ” 漆黒のダブルトーン・リーフレット

追記:2020年10月19日 鬼海弘雄先生がお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

*こちらの小冊子は東京印書館(Pressman Books)にて写真集・書籍をご購入頂いた方に特典としてお送りさせて頂きます。

写真家鬼海弘雄氏による東京印書館玉川工場スタッフのポートレートをスミ・グレーのダブルトーン印刷で仕上げたジャバラ折りオリジナルリーフレットを作成。製版・印刷はプリンティングディレクター高栁昇。撮影は「PERSONA最終章」印刷立会い時に行われました。”The Pressman” は「印刷工」の意になります。(2019年7月)

写真と併せて並ぶ言葉は日々印刷に向き合う高柳の語録。一見、物々しい響きの言葉が並んでおりますが、それぞれ真意があります。今回の記事では語録の中の一つ”肉を斬らせて骨を断つ”について少しだけ触れさせて頂きます。

“肉を斬らせて骨を断つ” は英語に訳すと”To loose the battle, To win the war”=”喧嘩に負けて戦争に勝つ”。傷を負うことを厭わずにリスクをとって全局的に勝利するといったニュアンスでしょうか。

今回の”The PRESSMAN”の印刷はスミ100%とグレー80%のダブルトーン印刷。インキが裏付きするギリギリのところまでインキを盛り込むことで、被写体の実体感と強烈な濃度感のある”黒”を表現しています。

手にとってみると、今だにインキの匂いが立ち込めるかのような”濃さ”を感じて頂けると思います。

もちろん、暗部ディテールを潰さないように超高濃度の印刷を想定した製版設計をしていますが、この質感を実現するために非常にリスキーな勝負をかけなければいけない。ということで印刷に携わる当社チームは常々「肉を斬らせて骨を断つ」と呪文のように言い聞かせております。

今回、撮影をご快諾頂いた鬼海弘雄先生にはこの場をお借りして、改めて心より御礼を申し上げます。

「The PRESSMAN」
・写真:鬼海弘雄
・文・プリンティングディレクション:高栁昇
・企画構成・印刷:東京印書館
・紙:B7ナチュラル
・製版設計/インキ:ダブルトーン/スミ+グレー(DIC G10)
*非売品