鮮烈な特色インキの組み合わせ〜こだわりの表紙印刷

「にっぽん劇場写真帖」「光と影」に続く写真家森山大道さんの決定版シリーズ第3弾!今回も東京印書館で印刷を担当させて頂きました。

今回も和紙のような質感を持つ”わたがみ”が表紙に使われています。凹凸がある紙にムラなくインキをのせるために、1回目はニス刷りのみで紙表面のテクスチャーを潰すことで、平滑性を出しています。

鮮烈な赤部分は金赤インク(朱色に近い特色)90%にプロセスのマゼンタを10%の配合で練ったインキを2度刷りして発色させています。対照的な緑色部分は藍(シアン)と黄色を約58%:39%の比率で配合し、微量のマゼンタとスミを加えた特緑。

こちらも2度刷りし、さらに背の文字部分のスミを重ね刷り。最後に皮膜強化のためのマットニスを全面に引いて仕上げています。

ぜひお手にとり頂き、手触りと質感を五感でも感じ取って頂きたい迫力の一冊です。

トリプルトーンで新生!待望の森山大道決定版シリーズ第3弾(月曜社HPより)

「三沢の犬」「何かへの旅」「国道シリーズ」など、森山の代表的なイメージ群を収めた1972年作品集(中央公論社1972年、講談社、2011年)。

路上(On The Road)の記録でもある『狩人』は、いまのぼくの写真へと引き継がれた重要なポイントとなっている。:森山大道

◎シリーズ「森山大道写真集成」の特徴――初期の名作を初版当時の画像サイズのまま再現し、トリプルトーンの印刷で新生させる決定版シリーズ。写真家自身による当時の回想、撮影にまつわるエピソード、撮影場所など、貴重なコメントを付して、資料的な側面も充実。

森山大道=写真
ジャンル :写真・芸術
刊行年月:2019.09
A4判変型ハードカバー128頁
本体価格5,000円
ISBN:978-4-86503-083-9