ぞうのこバナ

作:まど・みちお
絵:堀内誠一

発行:世界文化社
発行日:2023/5/5

判型:A4縦変型判(270×191mm)
頁数:24p
製版・印刷:プロセス4C。特色2C(特赤+特黄)、カバーはマットPP加工
用紙:HSスノーフォース、ミューコートネオス、アラベール スノーホワイト
製本:糸かがり上製本

今回はまど・みちおさん作、堀内誠一さん絵の幻の絵本『ぞうのこバナ』をご紹介いたします。

竜巻に巻き込まれ、ママとはぐれた子ぞうのバナ。ありと一緒にママを探す旅に出かけます。砂漠、海、山……、厳しい環境の中でも、バナの勇気と周囲の助けによって次々に困難を乗り越えていく姿に心励まされるお話です。

1969年に月刊絵本「ワンダーブック」に収録された幻の作品を絵本化した一冊。親子の愛情を優しい言葉で紡ぐまど・みちおさんの文章と、躍動感あふれる主人公バナを描いた堀内誠一さん。50年の時を経て、子どもたちに勇気と夢を与える物語が鮮やかによみがえりました。

ー世界文化社ホームページ紹介文より

まど・みちおさんは1909年山口県生まれ。詩人。作詞家。25歳のときに投稿した詩で北原白秋にその才能を認められます。終戦後、出版社での編集職を経て、詩・童謡の創作に専念。「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一ねんせいになったら」「ふしぎなポケット」などのユーモラスな童謡で国民的な人気を得るとともに数多くの詩を書き、1994年国際アンデルセン賞作家賞を受賞。2014年逝去。

堀内誠一さんは1932年東京都生まれ。デザイナー、アートディレクター、絵本作家。雑誌作りにおけるエディトリアルデザインの分野で先駆的な活躍をされ、雑誌『an・an』『POPEYE』『BRUTUS』『Olive』は現在もなお、そのロゴが使用されています。また絵本作家としても数多くの作品を手がけ、絵本に『たろうのおでかけ』『ぐるんぱのようちえん』『ほね』(福音館書店)、『くるみわりにんぎょう』(偕成社)など多数。1987年逝去。

1969年に月刊絵本「ワンダーブック」に掲載されて以来、長らく幻の作品となっていた本書ですが、当時の「ワンダーブック」を当社で印刷させていただいたご縁もあり、現代にも読み継いでいただける素敵な絵本ができあがりました。きっと、今のお子さまたちも、まどさんによるバナがママを探す冒険のお話に勇気をもらい、堀内さんによる鮮やかでかわいらしいイラストにワクワクすることでしょう。ぜひ親子でお読みいただきたい一冊です。

担当プリンティングディレクターより

竹下 真台

濃い緑は、以前出版された書籍から分解して色を作り再現しています。黄色と緑、赤とピンクなども明確に差を付け、原画や以前の出版物に色調を合わせました。ぞうのこバナのグレーの色合いは統一し、こどもの絵本らしい明るくて鮮やかな色にするよう配慮いたしました。

校正:株式会社円水社
ブックデザイン:高橋歩
編集:川島光代