Reading / windows

発行:PrintHouseSession
発行日:
2023/10/8

判型:163×112㎜(本文106×157mm チリ3mm)
頁数:208P
製版・印刷:(本文1)印刷なし、(本文2)プロセス4c/4c、(後ろ見返し)スミ1c/0c
用紙:(表紙)モイスライクGA紺、(芯紙)NPCC20、(見返し)NTラシャ 栗 四六130㎏、(本文1)フロンティタフ80 B判68㎏、(本文2)オーロラコート 四六110㎏
製本:糸かがり上製本

今回は、2023年10月8・9日に開催されたPrintHouseSessionにて当社が制作したアートブック『Reading / windows』をご紹介いたします。

4つの印刷所、4人のデザイナーがそれぞれチームを組み、1人のアーティストの作品のアートブックを作るPrint House Session。今回は、奥山由之さんの写真集「Windows」を題材に、アートディレクター、グラフィックデザイナーとして活躍されている田中義久さんと制作を行いました。

見た目は、手のひらサイズの丸背の上製本。what is a “window” ?から始まるテキストが型押しされた表紙はまるで洋書。一般的なアートブックのイメージとは少し異なるのではないでしょうか。

開いてみると何も書かれていないページが続くので驚かれる方もいるかもしれません。実はこちら、写真は32ページのみで、その他はすべてブランクページ。アートブックというより*記憶と記録を主題にしたノートブックとなっているのです。

*Print House Session Noteインタビュー記事参照

ノートブックのように書き進めていくと、windowsの写真に出会える構造になっている『Reading / windows』。数百枚あるwindowsの写真の中から、田中さんが32枚を選定する際には、一枚一枚が主張してくるものは選ばないようにしたとのこと。見た時の感情によってイメージの変化が生まれそうな写真が選ばれています。

写真の印刷は、色彩部分と暗部のコントラストが出るように、スミを強く締める方向で。加えて、窓の表面の模様が強調されるよう調整しています。

さらに、使用している用紙にもこだわりがあります。写真ページに使用しているのは、色褪せしにくい「オーロラコート」という用紙。ブランクページに使用しているのは、「フロンティタフ80」という用紙。

持ち歩いて使用することを想定して、傷んでも破けにくい頑丈な用紙なのですが、「フロンティタフ80」には、リグニンという成分が含まれており、光によって茶色くなりやすいといった特徴を持っています。

窓で光を浴びた状態の本を作るために、ブランクページにはあえて茶色くなりやすい用紙を使用しているのです。出展前には、実際に当社の窓辺に置いて日焼け作業を行い、よりwindowsの作品イメージを連想できる装丁を目指しました。

日記として使っていただくのはもちろん、旅行などに持って行っていただき、人との出会いの傍らに置いておくのもいいかもしれません。

窓を見つめることは、見知らぬ誰かと見つめ合うことに等しいと感じた

ー奥山由之

書き進めたときに出会えるwindowsの写真は、それまでの出会いの記憶を思い出させてくれます。使い込んでいくことによって、自分自身の手で完成させるアートブックであるようにも思います。大切な人あるいは自分への贈り物にもおすすめの一冊です。

写真:奥山由之
デザイン:田中義久
印刷所:東京印書館

Reading / windows ご支援ありがとうございます! | print house session powered by BASE

奥山由之 × 田中義久 × 東京印書館 判型:163×112㎜(本文106×157mm チリ3mm)頁数:208P 製本方式:糸かがり上製本 税込2,900円(送料別)