英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり

発行:求龍堂
発行日:2022/11/19

判型:B5縦変型判(257×186mm)
頁数:186p
製版・印刷:プロセス4C、プロセス4C+特色1C(特緑)、特色1C(特青、特緑)、カバーはマットPP加工
用紙:b7ナチュラル、ニューVマット、OK特アートポスト+、NTラシャ オレンジ
製本:無線綴じPUR製本

今回ご紹介するのは、現在SOMPO美術館で開催中「英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」展の展覧会公式カタログが書籍化されたものです。

世界最大級のボタニカル・アート・コレクションを収蔵する英国キュー王立植物園の協力のもと、美しいボタニカル・アートと共に、18~19世紀のイギリスの人々の暮らしを知ることができる、見て「味わう」本。

全体を6章で構成し、①野菜、②フッカーの『ポモナ・ロンディネンシス』(果物)、③茶・コーヒー・チョコレート・砂糖・アルコール、④さまざまな果物、⑤ハーブとスパイス、⑥ブレジア=クレン家のレシピ・ノートと『ビートン夫人の家政読本』に分けて、さまざまな食べ物を歴史的なエピソードを交えボタニカル・アートで紹介するとともに、その食材がどのようなシーンで食されていたか、当時の食器・銀器やグラスなどテーブルまわりの環境も垣間見られるような内容。

第6章では、食材がどのように調理されていたかわかる当時のレシピや、女性たちが愛読した家政読本も収録。英国風お菓子の作り方がわかる頁も有り。「英国風」を好む女性たちが見て楽しい本。

イギリスが大躍進を遂げた18~19世紀の食に焦点を当て、その頃さかんに描かれたボタニカル・アートと、発展の象徴でもある豊かで華やかな食にまつわる文化を、双方向的に紹介することで、アフタヌーン・ティーをはじめとして日本の女性たちに馴染みのある「イギリス風」の素敵な時間を疑似体験できる内容となっています。

こちらの展覧会は、2022年11月5日(土)~2023年1月15日(日)までSOMPO美術館、2023年4月8日(土)~2023年6月4日(日)まで静岡市美術館で開催され、以降巡回予定となっています。「英国風」の暮らしを疑似体験できる貴重な機会ですので、本書をご覧いただき、ぜひこちらにもお運びください。

担当プリンティングディレクターより

細野 仁

b7ナチュラルは、用紙特性として明部側から中間部にかけて濁りが生じやすい微塗工紙なので、極力、濁りを払いつつディテールが失われないように製版しています。また、全て写真の地色は統一せず、項目ごと若しくは頁単位でバランス調整しました。

植物画から関連したレシピの写真は雰囲気を残しつつ読者の方に『おいしそう』と思って頂けるような製版・印刷を心掛けました。

執筆:シャーロット・ギア(美術・デザイン史家)、フィオナ・エインズワース(キュー王立植物園ライブラリー・アンド・アーカイヴズ代表)、リン・パーカー(キュー王立植物園イラストレーション・アンド・アーティファクト・コレクション、キュレーター)、マイケル&マリコ・ホワイトウェイ(文化・デザイン史、キュレーター)

小林晶子(SOMPO美術館上席学芸員)、太田紗世(静岡市美術館学芸員)、下村朝香(西宮市大谷記念美術館学芸員)、山下寿水(広島県立美術館主任学芸員)、山口和子(茨城県近代美術館企画課長)、澤渡麻里(茨城県近代美術館主席学芸員)

構成統括:小林晶子
翻訳:[エッセイ]小林晶子、澤渡麻里、[レシピ]福田浩子(広島県立美術館学芸課長)、[レシピ寄稿協力]ハナコ・ホワイトウェイ
企画・編集:株式会社ブレーントラスト
デザイン:近藤正之(求龍堂)
編集・進行管理:深谷路子(求龍堂)

SOMPO美術館(新宿駅 徒歩5分)|この街には《ひまわり》がある。

SOMPO美術館(旧館名:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)ゴッホ《ひまわり》を収蔵。新宿駅 徒歩5分

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