電線の恋人

著:石山蓮華

発行:平凡社
発行日:2022/12/21

デザイン:横須賀拓
イラスト:加賀谷奏子

判型:B6縦変型判(188×128mm)
頁数:224p
製版・印刷:プロセス4C、特色1C(特グレー、特赤)、スミ、帯はグロスニス、カバーはマットPP加工
用紙:b7トラネクスト、オペラクリームマックス、ミルトGAスピリット スーパーホワイト、ゆるチップ いし、ビオトープGA-FS ストーングレー
製本:あじろ綴じ並製本

今回は、電線愛好家・文筆家・俳優の石山蓮華さん著『電線の恋人』をご紹介いたします。

「電線愛好家」として『タモリ倶楽部』に出演!
日本電線工業会公認・電線アンバサダーとして活躍する文筆家・俳優の著者が、長年偏愛する電線への想いをつづるエッセイ集。電線カラー写真を多数掲載。「ウェブ平凡」人気連載を書籍化。

ー平凡社HPより

小学校3年生からずっと電線が好きで、高校生の頃には電線を被写体に写真を撮り、やがては電線の魅力を文章で伝えたいと『電線礼賛』という同人誌まで作ってしまうほど、電線を偏愛する石山さん。自ら電線愛好家と称しその魅力を伝えてきた功績が認められ、現在は日本電線工業会公認・電線アンバサダーとして、電線に関するさまざまな啓蒙活動でもご活躍されています。

私たちが毎日目にしていながらも、多くは特に気に留めることもない電線ですが、本書ではその形状の分類、アニメや文学、芸術作品に登場する電線についてなど、石山さんならではのマニアックな視点で考察されています。

その一方で無電柱化推進の動きには、電線愛好家としてのモヤモヤした気持ちも正直に吐露したり、電線工場を訪れ、リサイクルされる電線の素晴らしさを再認識したり、あらゆる角度から電線への愛を語ってくれています。

電線は「生まれながらの完璧な博愛主義者」で「圧倒的片思い」だけれど「死なない恋人(リサイクル率99%以上)」であるという石山さんは、これからも「電線の恋人」として、電線の魅力を私たちに伝えてくれるでしょう。ぜひ本書をご一読いただだき、私たちのインフラを支える電線について、思いを巡らせてみてください。

担当プリンティングディレクターより

細野 仁

石山さんが15,000枚も撮りためたなかから厳選された電線写真です。今回使用しているb7トラネクストとオペラクリームマックスが、嵩高用紙と書籍用紙のため濁りが出やすいです。そのため、仕上がりとしてのコントラストを意識しながら、ハイライトの面積に応じて網点をどの諧調からつけていくか配慮しました。

小さい面積の写真は敢えて網をつけず紙の地の白を活かし、通常より純色のヌケを良くするように製版しました。