名画のコスチューム

著者:内村理奈
発行者:矢部敬一
ブックデザイン:川添英昭

発行:創元社
発行日:2023/5/30

判型:四六判(188×128mm)
頁数:256p
製版・印刷:プロセス4C、特色1C(特赤)、特色1C(特紫)、ニス
用紙:ヴァンヌーボーV−FS スノーホワイト、タントセレクトTS−9 N−9、b7トラネクスト
製本:あじろ綴じ上製本

皆様は絵画を鑑賞しよう、と思った時に何を基準に選択しますか?

作者?モチーフ?年代?それとも話題作?いろいろとあると思いますがコスチュームに着目して鑑賞するのも面白いかもしれません。

本書は西洋服飾文化史の専門家の内村理奈氏の著作で、60の職業について名画に描かれたコスチュームを題材に、詳細に分析されています。

つまり、コスチュームは、時代や国、地域、民族、あるいは職業や地位、身分、さらには、儀式やシチュエーションなどを表す衣服を指している。文学や芸術の中で、作品の世界観の迫真性を伝えるべく、登場人物に身につけさせる衣服かつ装飾品であり、装い全体のことを指しているのである。
ー”はじめに”より

画像は道化師のページですが、現在の私たちが思い浮かべるいわゆる”ピエロ”とはまったくことなるコスチュームであることがわかります。

当時の道化師の役割は王などの階級の高い方々の専属であり、ただ周囲を笑わせるためだけではなく時には諷刺などをまじえて毒をさす存在である、と解説されています。

動物の角のような帽子に見られるような奇抜さだけでなく、王のパロディであるかのような見た目や杖などにも二面性が見え隠れしているように思えませんか?

そして、この絵画に描かれているのは深刻そのものの表情・・・・・・一目みただけでも興味をくすぐられるばかりです。

”踊り子”

”孤児”

”将軍”

その他のページも名画を題材に著者が当時の風俗をまじえて解説してくれるこの一冊。絵画鑑賞を通じて当時の世界観をたっぷりと味わってみるのはいかがでしょうか?

担当プリンティングディレクターより

細野 仁

衣装の質感と色彩を可能な限りリアルに再現するべく画像を調整しています。
特に、印刷時にインキを盛り込んだ際に微細な調子が潰れないように最終調整を行い、微妙なディテールまで細やかに再現することを心がけました。

また、衣装のポイントになる色を強調することで読者の方の目を引くような工夫を凝らしています。

 

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