別冊太陽 棟方志功

編集人:日下部行洋
発行者:下中順平
デザイン:熊谷智子

発行:(株)平凡社
発行日:2023/10/25

判型:290×220mm
頁数:160p
製版・印刷:プロセス4C
用紙:表紙:ジョイボリーNA FSC-MX 本文:マルガリーライトFSC-MX
製本:あじろ綴じ並製本

棟方志功。
誰もが一度はその名を耳にしたことがあると思います。

版画の道を極める為「版画道」に生命を燃やしその道をまっしぐらに突き進んだ棟方志功。本書はそんな棟方志功の生涯とその作品、さらに棟方と親交のあった方々のお話などふんだんに掲載されています。

這うようなぎりぎりの姿勢で絵筆をとる棟方スタイル。
昭和49年(1974)

棟方の幼少期から晩年までの写真や作品を多数掲載。大小様々な作品が本書には多数掲載されてます。


棟方志功にしか生み出せない作品たちは圧巻の一言。美術館やテレビなどで一度は目にしたことのある作品もあるのでは?

「我はゴッホになる」の言葉通りに今や世界に名だたる芸術家の一人となった棟方志功。

その作品の一端に触れてみたい、興味が湧いたと言う方は、巻末に棟方の作品展示されている美術館の情報も載ってますので、一度訪れてみては如何でしょう。

(文:製版部 熊沢)

担当プリンティングディレクターより

細野 仁

棟方志功は油彩画から作家としての道を歩み始めましたが、一般に広く知られているのは、彼の鮮やかな色彩を特徴とする板画(版画)の作品です。

版画作成作業では木版ぎりぎりまで顔を近づけ、四つん這いの姿勢で一心不乱に彫り続ける姿は誰もが知るところ。版画も墨一色で作成していたが半紙の裏側から彩色する『裏彩色』の技法を確立したといいます。

ともすれば、弁財天を模した女人像の作品では『裏彩色』の技法だけでは飽き足らず、表からも彩色し肉筆画のような作品を制作しました。のちに私たちが知る棟方志功の作品としてあまりにも有名です。

実際、岩絵の具など彩色に使用した顔料は鮮やかで印刷では表現の難しい色彩です。また、裏側から彩色している為、「強く鮮やか」というよりも色鮮やかで、彩色の濃淡が重要と判断しました。

製版設計では墨は単色で強めに設定し3色はシャドウ濃度を通常より弱めに設定。但し、色のコントラストを意識した設計にしています。