絵本 おいでおいで 

原画の持つ豊かな色相・彩度を可能な限り再現すべく、プロセス4色インキに加えて、補色版として蛍光ピンク(TOKA FLASH VIVA DX 160)を使用した5色印刷で仕上げています。

<製版設計>
プロセス4+蛍光ピンク(TOKA FLASH VIVA DX 160マゼンタ)

<用紙>
本文/見返し:ユトリログロスマット 四六判 135kg
表紙:OKトップコート+ 菊判76.5kg
カバー:OKトップコート+ A 70.5kg
<製本・加工>
上製本中ミシン/カバー・表紙・帯グロスPP加工

製版上のポイント〜プリンティング・ディレクター高柳昇より

 オフセット印刷は基本的にシアン(藍)マゼンタ(紅)イエロー(黄)ブラック(K)の4色(CMYK)で全ての色を再現します。ただし、今回の絵本「おいでおいで」のように原画の中に4色では再現できない色が含まれる場合は、特色インキを用いてこれを補います。4色に加えて特色(補色)を用いる際は、まず原画(原稿)をよく観察することが大切です。どの部分が4色で再現できないのか、また、どのような補色が必要なのかを見極めなければなりません。

今回は、蛍光ピンク(TOKA FLASH VIVA DX 160マゼンタ)を採用しました。まずCMYK4色に加えて特色を使用する場合、単にCMYK4色を印刷してから4色では出せない色を特色で印刷するといった方法では原画の色鮮やかさを再現することはできません。

なぜなら、4色で印刷することにより色は必ず濁ります。色を足していけばいくほど暗くなるという印刷の特性上、ある程度の濁りは避けられません。この濁りをいかに解消するかがポイントなのですが、単純に4色に鮮やかな蛍光色を印刷するだけでは濁りは解消できず、原画のような色鮮やかさとは程遠い仕上がりになってしまいます。

では、いかに濁りを抑えながら特色を用いて原画の色鮮やかさを再現するか。実は、この蛍光ピンクは作品の中の茶色、黄色、ブルーと黒部分以外、全ての部分に入っています。例えば顔部分の肌色には黄色(Y)とマゼンタ(M)の網点でできています。この中で濁り成分というのはマゼンタ(M)のみになりますので、このマゼンタの網点を減らしつつ、特色に置き換えています。色相自体が変わってしまうので、特色で置き換えられるのはマゼンタ(M)のみです。

今回の場合は、肌色部分や赤色部分など、必要部分のマゼンタの網点の割合を一律に相対値で30%減らしています。相対値というのは例えば100%の部分を70%に、10%の部分を7%に減らすという意味です。さらに、マゼンタを減らした分置き換えた蛍光ピンクは相対値で45%から60%の網点パーセンテージで印刷しています。

蛍光インキというのは通常のプロセス4色のインキと比較すると紙に転移させにくい、濃度感が出しにくいという特徴があります。その点も考慮して、上記の網点パーセンテージで印刷しています。

前述の通り、印刷においては「濁り」との格闘が避けられません。しっかりとした濃度感と階調を残しながらも原画の色鮮やかさを再現し、美しい印刷物に仕上げるべく、以上のような工夫をしています。

高栁 昇

書籍紹介 おいでおいで

さくふくだしょう  中川ひろたか
絵   :かめざわゆうや
ISBN:978-4-87014-148-3
・定価:900円(本体900円+税)
・判型:32ページ B5変型 オールカラー

書籍紹介文

おともだちとあそびたい男の子。
「おいで おいで」と、ひとさしゆびを だしたら、 「ぴょーん」と うさぎさんが とーまった!「おいで おいで」とよびかけて ともだちの輪がひろげよう!
ごっこあそびや模倣あそびにもオススメです♪

*赤ママWEBより転載