和ろうそくは、つなぐ

著者:大西暢夫

デザイン・レイアウト:鈴木康彦

発行日:2022/2/28
発行:アリス館
判型:B5縦変型判(250×191mm)
頁数:56頁
用紙:雷鳥マットコートZ、ミューコートネオス、アルティマックス
製版・印刷:プロセス4C、帯は2C(コンクスミ+特1C)+グロスニス
製本:糸かがり上製本

アリス館様刊行、「和ろうそくは、つなぐ」の印刷をお手伝いさせていただきました。以下、担当営業の弊社専属YouTuber桝川からご紹介させていただきます。

 
暗闇からのYOUTUBER桝川登場です…

なんかやだな~、なんかやだな~と思いながら刷り出しを開くと…ヒエー!そこには…大きな「オバケ」がついていたんですよ。

(註:版面に異物が付着し、その周辺のインキが抜ける印刷不良の一種。出たり消えたりするので印刷用語でオバケと呼ばれる)

というわけでなんでのっけから怪談かっていうと、今回ご紹介する「和ろうそくは、つなぐ」。和ろうそくってなかなか見る機会がないと思うんですが、一番身近なのが稲川淳二の怪談コーナーで雰囲気出すために燃えているあれです。(そんでやってみたかっただけ)

まあそれは後から気づいたことでして。桝川もそれまで意識して和ろうそくって見たことがなかったんで、今回も大変に興味をそそられました。

和ろうそくって、一般に我々が使う西洋ろうそくとどこが違うのか。まず燃料のロウは洋ろうそくのパラフィン(石油製品)ではなく、伝統的なハゼの実からとる蝋を使っていること。そして何といってもストロー状の和紙に燈心草(註:トウシンソウ・イグサの別名)の髄を巻き付け、真綿で包んだ手の込んだ芯を使っているということ。

これはつまり、芯を空洞にすることで煙突効果により内側から酸素を効率よく燃焼させるという、構造的にはジェットエンジンと変わらない古くて新しいハイテク思想。「ろうそくの科学」で有名なファラデーも、大きな驚きをもって紹介するほど。

どういう炎かはぜひ今回の動画で確認してください。怪談とかご祈祷とかで使われるだけあってゆらゆらゆらめく瞑想的でなまめかしい炎なのです。

動画では桝川がやってみたかった実験、ろうそくの底の穴をふさいでみる・逆に息を吹き込んでみる、をやっています。

穴を押さえても炎の大きさ、勢いは変わらなかったですね。ただ、燃焼効率が悪くなったのか、急にすすが出た気がしました。

口にくわえてジェット噴射はやめたほうがいいです。たしかにガスバーナー状態でなかなかの迫力でしたが、お約束で顔に蝋が飛び散りました。(熱ッ!とか騒いでますが本当はあまり熱くなかったです)

さあ、和ろうそくにやけにこだわってしまいましたが、大西先生の今回のこの本のテーマは、和ろうそく、その原料をめぐる思いもよらぬ産地や職人のつながりや、制作過程で生じた二次生成物(言わばカス)をほかの職人たちが無駄なく使い、全く別のものを生み出していく、和ろうそくにまつわる人とものの輪廻のような壮大な世界を写真で紹介しようというもの。

印刷上のポイントは(やっとかい…)日本伝統の工芸における原材料の色・質感でした。この和ろうそくもすべてが植物由来なんですが、ほかに出てくる藍、土、わら、絹、墨、すべてが自然のものなんですね。
本物の質感を大西先生と綿密に打ち合わせました。

それからろうそくの炎。「オレンジを濃く」「明るく」実はそれは矛盾しているんですね。オレンジの構成色・赤や黄を強く出した時点で、インキの持っている濁り成分で色としては暗くなってしまうのです。

ですので、鮮烈なオレンジを印象付けつつ明るくするには色の引き算と足し算を複雑に組み合わせた、一級のノウハウが必要です(このあたりの詳しい解説は、弊社発行の「東京印書館編 写真印刷術」にありますので、ご興味ある方は弊社HPからご購入くださいませ。)

我々の印刷業界で使う洋紙もインキも石油製品ですから、きれいごとは言うつもりはありません。それでもこの日本に、土と水と太陽がはぐくむ原料が循環し完結する世界があること、そしてその叡智が失われないよう受け継がれていくべきものであるということ。

この本でそんなことを一人でも多くの子供たちに感じてもらいたいものです。

最高級の手作り和ろうそく製造販売店【通販】|松井本和蝋燭工房 オンラインショップ 通販|愛知県岡崎市(MATSUI ROUSOKU)|三州岡崎和蝋燭|JAPANESE CANDLES HOUSE

創業110年以上の愛知県岡崎市(徳川家康公生誕の地)にある和ろうそくの伝統製法である清浄生掛けで最高級和ろうそく(寺院用・ご家庭仏壇用)製造販売する専門店 …