冥途/猫町/夢十夜

「冥途」 著者:内田百閒
「猫町」 著者:萩原朔太郎
「夢十夜」 著者:夏目漱石

画・造本:金井田英津子
企画協力:中西洋太郎
編集:野﨑真鳥(平凡社)
印刷:東京印書館(カバー・表紙)/東光印刷所(本文)
製本:大口製本印刷

発行日:2021/5/19
発行所:平凡社
判型:A5縦変型判(210×153mm)
頁数:96頁(冥途)/88頁(猫町)/88頁(夢十夜)
用紙:コニーラップ シルバー、ミルトGAスピリット ホワイト、ブンペル ホワイト
製版・印刷:表紙は特色1C、カバーは特色3C+マットニス、帯は特色1C+スミ
製本:あじろ綴じ上製本

平凡社様刊の「文学画本シリーズ」の「冥途」「猫町」「夢十夜」のカバー、表紙、帯の印刷を弊社にてお手伝いさせていただきました。版画家・金井田英津子さんの美しい挿絵で名作を読み返すことのできるシリーズが、待望の新装復刊です。

内田百閒「冥途」は百閒の有名な短編ですが、あの世とこの世の交流を描いた幻想譚。萩原朔太郎「猫町」は今でいうところの違法薬物でトリップした状態の朔太郎が、その時みた白昼夢を著した作品で、猫だらけの町に迷い込んで帰れなくなる幻想小説です。夏目漱石「夢十夜」は有名な「こんな夢を見た」という書き出しで始まる10篇の怪しくも美しい幻想小説からなっています。いずれの装画、挿画も版画家の金井田英津子さんの手によるもので、3冊それぞれに調和した挿絵は、本当に自分が悪い夢をみているかのように描かれていて本当に素晴らしいです。

今回カバーはそれぞれ異なる特色3C+マットニスで印刷しているのですが、微塗工を施した高級印刷用紙ミルトGAスピリットとインキの相性を計算しながら、すべて調肉(色見本に合わせてインキを混合すること、別名特練り、調色)を行いました。また褪色しやすい色味については、耐光インキを使用しています。ちなみに今回の3冊のカバー、表紙、帯にはなんと合計15色の特色インキが使用されているため、調肉担当者はかなり苦労したそうです。

「文学画本シリーズ」は大人の方にこそ読んでいただきたく、金井田さんの素晴らしい挿絵とともにぜひ3人の文豪の幻想世界に浸っていただきたいです。