古谷文俊写真集「また めぐりくる春に」

著/文:古谷文俊
編集:
永原耕治+上原耀(風景写真出版)
ブックデザイン:宮川亜加里(リナリマ)

発行:風景写真出版
発行日:2023/9/11

判型:A4横変型判(220×270mm)
頁数:124p
製版・印刷: 本文 プロセス4C、カバー プロセス4C+グロスPP加工、表紙 特青+グロスニス
用紙:雷鳥ダルアートCOC(本文)、雷鳥ダルアート(カバー)、スノーフィールド(表紙)

今回は、古谷文俊写真集「また めぐりくる春に」をご紹介いたします。

山に囲まれた土地で育ち、とりわけ富士山の麗容を一年中見て育った古谷さんにとって、山のある風景が落ち着く風景でした。定年が近づくとともに山岳、風景写真を本格的に勉強したい思いが強くなり、定年を2年残して教職を退かれました。

左頁:おだやかな朝 中山峠 長野県茅野市 2013年
右頁:烈風の痕跡 坪庭 長野県茅野市 2010年

本格的に写真を勉強しようと雑誌『風景写真』で知った米 美知子先生の教室に入会。又、当時多くの風景写真家を育てていた前川彰一先生が主宰する写団薬師に入会。更には山を勉強するために全日本山岳写真協会に入り、経験を積みました。

左頁:予定調和 長野県長和町 2015年
右頁:はるかに大島が 根本海岸 千葉県南房総市 2017年

隔月誌『風景写真』誌上フォトコンテストにて入選を重ねて2016年には同誌主催のカレンダーコンテストにおいて最優秀賞受賞。2016年富士フォトギャラリー銀座にて「折々の色巡り」個展を開催。「美しい風景写真100人展」にて古森重隆賞を受賞されるなど山岳、風景写真において活躍を続けておられます。

左頁:花桃の里 神奈川県横浜市 2016年
右頁:春蛍 神奈川県秦野市 2016年

このたび、齢75を前にひと区切りとして、撮り溜めた何千というカットから100カット程度に絞り込み1冊にまとめて写真集を制作、弊社で印刷をお手伝いさせていただきました。

左頁:あけてゆく池塘 尾瀬群馬県片品村 2018年
右頁:絶妙に生ける 長野県上松町 2011年

季節の移り変わりを感じることの歓びが伝わる、爽やかな写真集です。

左頁:初夏の彩り 佐渡島新潟県佐渡市 2016年
右頁:蒼穹へ 浅間山群馬県嬬恋村 2015年

眺めていると次の季節が楽しみになる。そんな風景の数々を、どうぞお手に取ってご覧ください。

左頁:瀬を早み 清津峡新潟県十日町市 2017年
右頁:秋を想う 山形県小国町 2015年

担当プリンティングディレクターより

髙栁 昇

写真はすべてポジフィルム(富士フィルム製:ベルビア、プロヴィア使用)で入校したものを、弊社でスキャンしました。フィルム写真の特徴としては使用するフィルムによって写真の色が変わり、当然雰囲気も変わります。何となくデジタル写真とは異なる手触り感を感じるかもしれません。
著者の古谷文俊様は、写真集の入稿に際し、
・「自然美」をストレートに表現したい、
・さわやかな気持ちの良い写真にしたい
とのご希望がありました。

そこで、
①出来るだけ光を強調する。
②暗部の調子(階調)がつぶれないよう注意する。
③過度に色を強調しない(鮮やかにしない)
という3点に注意をして製版しました。

①の光を強調するために単にコントラストにしてしまえば、暗部の調子はなくなってしまいます。またハイライト部分を明るくしすぎれば、反対色もなくなっていき結果的に過度に色を強調してしまうので、相反する処理をいかに共存させるかに工夫を凝らして製版しました。

統括印刷ディレクション:髙栁昇
製版:山口雅彦、竹下真台
印刷:高橋満弘
進行:鈴木浩二

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