須田一政写真集 無名の男女

著:須田一政

Art & Editorial Direction:Akio Nagasawa
Designer:Hiroshi Nakajima

発行:Akio Nagasawa Publishing
発行日:2021/4/24

判型:A5横変型判(200×210mm)
頁数:160p
製版・印刷:特スミ(コンクスミ)+特グレー+グロスニス、特スミ(コンクスミ)+グロスニス、特スミ(スーパーブラック)+特グレー+グロスニス
用紙:ニューVマット、NTラシャ あい、ユーロシルク(EU-30)
製本:糸かがり上製本、題箋貼り、空押し

今回ご紹介するのは、写真家・須田一政氏の写真集『無名の男女』です。

名も無き花が存在しないように、無名の人間も実際には存在しない。

教科書に残るような人物を主役とするならば、ほとんどの人間はバイプレイヤーだが、視点を変えれば独自の歴史の主体であることは言うまでも無い。彼らは何気ない日常に埋もれているようで、個々の核たる奥底には強靭な力を隠し持っているのである。だからこそ、かつて、革命はこうした無名の庶民によって起こされた。

(中略)もはや時代の背景として過ぎ去った一瞬ではあるが、今、ずっしりとした彼らの生の重みが撮影者である私の方に跳ね返ってくる思いがしている。
—須田一政(※生前のコメントより)

この「無名の男女」は、1976~78年にかけて東京で撮影された100点で構成されたシリーズである。「カメラ毎日」1978年11月号の誌上にて49点が発表され、同時期にニコンサロン(新宿・銀座)にて100点全てが展覧された。

しかしながら、発表当時は写真集として纏められていなかったため、その後「わが東京100」(ニコンサロンブックス 1979年)へ25点、「人間の記憶」(クレオ 1996年)へ3点、「東京景」(Zen Photo 2013年)へ3点、「Childhood Days」(Akio Nagasawa Publishing 2015年)へ3点といったように様々な写真集に「無名の男女」シリーズからの作品が収録されたり、1点については1982年に「物草拾遺」シリーズの1点として展覧会に出品されるなど、このシリーズは解体されて今に至る。

現在では、発表当時の「無名の男女」の姿を確認することができないことから、今回、須田一政が当初構想した100点を完全収録し、このシリーズの全体像を復元することとした。
ー編集補記(Akio Nagasawa Publishing ホームページより)

浅草、上野、神田淡路町などで撮影された”無名の男女”たちは実に個性豊かです。時を経て編集されたこの写真集は、昔を知る者には撮影当時の風俗が懐かしく、若者たちには新鮮に映るのではないでしょうか。須田氏の代名詞とも言える、スクエアフォーマットで緻密に組み立てられた構図も圧巻です。ぜひご覧ください。

無名の男女(東京1976-78年) – 須田一政 | AKIO NAGASAWA

1940年東京都生まれ。62年に東京綜合写真専門学校を卒業。67年より寺山修司が主宰する演劇実験室「天井桟敷」の専属カメラマンとなる。71年よりフリーランスの写真家として活動を開始。76年、『風姿花伝』にて日本写真協会新人賞を受賞し、一躍注目を浴びる。 …