有元伸也写真集 TOKYO CIRCULATION

著者:有元伸也

発行者:マーク・ピアソン
発行:禪フォトギャラリー
発行日:2016/7/2

判型:A3縦変型判(366×297mm)
頁数:196p
製版・印刷:特色2C(スーパーブラック+特グレー、本文、題箋はグロスニス)、特色1C(銀、本文)
用紙:ユーライトナチュラルF、NTラシャ グレー50、タイタンピースブラック(クロス)
製本:糸かがり上製本、ホローバック、クロス装丁、題箋貼り

今回ご紹介するのは禪フォトギャラリー様より2016年に刊行されました、有元伸也さんの写真集「TOKYO CIRCULATION」です。

写真家・有元伸也さんは1971年大阪生まれ。1994年ビジュアルアーツ専門学校大阪卒業後フリーランスフォトグラファーとして活動を開始。1998年「西藏より肖像」で第35回太陽賞受賞。

以後は東京を拠点に国内外での個展やグループ展を積極的に開催・参加しています。2008年に自身の作品発表の場として東京・四谷にTOTEM POLE PHOTO GALLERYを設立し、そこでの連続展を中心に活動されています。

デビュー作「西藏より肖像」は、チベットの人々を90年代後半から数度にわたって撮影したモノクロームの写真から構成されており、カメラを向けられたチベットの若者たちの好奇心や親しみが伝わり、被写体と写真家とのやりとりの想像をかきたてる写真集でした。

本作「TOKYO CIRCULATION」でも、有元さんは東京という都市と共存しながらたくましく生きる生物としての人間の姿をとらえています。東京の都市で生きる人々と親密なコミュニケーションをとりながら撮影された、これらのポートレイト群は、人間的魅力とエネルギーにあふれたものとなっています。

モノクロの写真の黒の重厚感を出すためにインキはスーパーブラックを使用しており、諧調表現を豊かにするため、スーパーブラック(スミ)とグレーのダブルトーンで製版、印刷しています。また、このインキを使用することにより、よりコントラストも鮮明になっています。

写真集の最後に有元さんは次のように述べられています。

「(前略)よく目を凝らし東京の街を観察してみると、そこには都市と共存しながらたくましく生きる人々の姿が見えるはずだ。芽生えた疑問と向き合うべく、都市に生きる生物としての人間の姿を追い求める日々が始まった。それから10年が経った今、私の目に映る東京は壮大な循環を持つ一つの生態系だ。」

東京の人々の放つエネルギーをダイレクトに感じていただける力強い写真集です。ぜひご覧ください。

編集:羅苓寧
翻訳:ジョン・サイバル
アートディレクション:伊野耕一

TOKYO CIRCULATION (black) – 有元伸也 | ZEN FOTO GALLERY – アジア諸国の写真を専門に紹介するギャラリー・出版社

東京に居を移してから20年の月日が過ぎたが、日々変化を続けながら増殖するように拡大してゆくこの街の姿は今なお魅力的で、決して飽きることなく新鮮に映る。しかしその一方、都市機能の増大の結果として、人間が本来持っていたであろう生物としての身体性は見え難くなった。 …