有職文様図鑑

著:八條忠基

発行:平凡社
発行日:2020/7/22

判型:B5縦変型判(217×166mm)
頁数:136p
製版・印刷:プロセス4C、特色1C(特茶)+スミ、特色1C(特茶)、カバー、帯はグロスニス
用紙:OKトップコート+、OKミューズガリバーグロスCoC ハイホワイト、ジェントルホワイトフェイス
製本:あじろ綴じ並製本

今回ご紹介するのは、2020年刊行、八條忠基氏著『有識文様図鑑』です。SNSで「ヤベェ本」として大ブレイクした『有職装束大全』の著者による、読みやすく、面白く、ためになる文様入門書。

有職文様(ゆうそくもんよう)とは、平安時代以降の公家社会において装束や調度、建築などに用いられた伝統的な文様のことです。古来よりササン朝ペルシアなどの西域から生まれ、シルクロードを通って中国から伝来したものが基になっており、衣食住のきまりごと「有職故実」に則る貴族生活に密接に関連した”日本独自の文様”は、近代以降、「有職文様」と呼ばれ、現代においても優美で格調高く、日本の文様の基調となっています。

今日でも、雅でおめでたい柄として、礼装用の着物、ひな人形の衣裳にも用いられています。神社や仏閣などでも目にすることも多いですが、その文様のルーツや意味を知っている人は多くないのではないでしょうか。

本書は、植物、動物、自然、様式など、カテゴリーごとに豊富な写真とともに文様を解説。植物や動物の意味や歴史的背景まで説明されており、日本人が大事に守ってきた伝統的な有職文様が、どのようなシチュエーションでどのような人々に身につけられてきたかがよくわかります。確かな知識に裏打ちされた文様の奥深き世界にきっとハマるはず。ぜひご一読ください。

写真協力:木曽耕一、湯村正子
装丁・デザイン:椋本完
校正:栗原功
編集:坂本裕子(アートよろづや)、林理映子(平凡社)