普段、一般の人々は目にすることがない下水道の幻惑的な世界を全国各地の都市部で撮り続ける写真家白汚零氏の最新作品集”胎内都市”(草思社様)。印刷を弊社でお手伝いさせて頂きました。

“これが下水道?”と思えるほど時にカラフルで息をのむほど美しく、詩情に溢れる世界に圧倒されます。下水道に対して多くの人が持ち得る固定観念が取り払われるかのようです。ぜひお手にとり下さい!

印刷について/Print director’s note


<弊社玉川工場での印刷立会いの様子〜弊社プリンティングデイレクター高柳、著者白汚零様〜>

デジタル写真の色あざやかさを*プロセス印刷でどこまで再現できるか、というのが今回の印刷における最重要課題でした。

ただし、濁りを抑えて彩度を上げることで遠近感が損なわれるリスクが常に隣り合わせであることを見極める必要があります。作品一点一点ごとに、写真家の重視するポイントをお聞きした上で、実際の印刷を想定した製版設計をさせて頂いております。

また、最暗部(網点濃度が100%に近い部分)は限界までインキを盛り込んで引き締めつつ、明部を飛ばさずコントラストをつけ、メリハリをきかせることを意識しました。

本番の印刷では、紙の性質を考慮しながら印圧を調整し、インキを限界まで盛り込んでいくことで、印刷物にボリューム感と迫力を与えます。ローラーへのインキ供給量を増やすことで中間〜暗部の階調が潰れてしまうことのないよう、前工程の製版段階でも緻密な配慮が必要になります。

*プロセス印刷:黄・紅・藍・墨の4色のみを刷り重ねることで、多くの色を再現しようとする目的で作られたプロセスインキによる印刷のこと。

著者の白汚零様には印刷本番にも立会い頂き、全ページの色調をご納得頂けるまで確認して頂きました。最終的にご満足頂ける写真集が出来上がり、弊社としても大変嬉しい限りです。

★白汚零様の公式ウェブサイトはこちら