須田一政写真集 Childhood Days

著:須田一政

Art & Editorial Direction:Akio Nagasawa

Designer:Hiroshi Nakajima

発行:Akio Nagasawa Publishing
発行日:2015/6/19

判型:A4横変型判(200×210mm)
頁数:136p
製版・印刷:特スミ(スーパーブラック)+カルトン用超被膜グロスウェットニス、特スミ(スーパーブラック)+特グレー+カルトン用超被膜グロスウェットニス
用紙:ユーライトナチュラルF、ユーロ・シルク EU-65
製本:糸かがり上製本、題箋貼り、角背、ホローバック、空押し、クロス装

今回ご紹介するのは、2015年刊行、須田一政氏の写真集『Childhood Days』です。初期から現在までの作品より、写真集未収録作品を多数含む“全ての大人が持っていた幼年時代”をテーマとした写真集。

世の中の誰もが自らの幼年時代を懐かしく思えるとは考えない。幼年時代にもそれなりの悲しみや苦しみがあるのである。ただ、幼年の時をはるかに過ぎ、人生の終焉を意識するころになると、誰もが幼い自らをまるでわが子の様に愛おしく感じられるのではないかと思う。
-須田一政 あとがきより抜粋

この写真集に多く収められているのは、1970年代から1980年代の”昭和の子ども”です。かつて私も”昭和の子ども”でしたので、当時の男の子たちの短い半ズボン姿や坊主頭や野球帽、女の子たちの夏祭りの浴衣や赤いほっぺた、ぱっつりと切りそろえられたおかっぱの髪などが、とても懐かしく自分自身の幼年時代を彷彿とさせるものでした。

須田氏がおっしゃるとおり、ただ無邪気に幸せだったわけではなく、たしかに子どもなりの悲しみ、苦しみはありました。しかし今、この写真集を眺めていると、やはり幼年時代の記憶は愛おしく、「甘美な思い出として小さな宝石箱にしまいたい」と思えるのです。

時は令和になりましたが、かつて子どもだった大人にこそ見ていただきたい、”全ての大人たちが持っていた幼年時代”がおさめられた宝石箱のような写真集です。こちらの写真集はAkio Nagasawa Publishing のオンラインショップよりご購入いただけます。ぜひご覧ください。

Childhood Days_B – 須田一政 | AKIO NAGASAWA

1940年東京都生まれ。62年に東京綜合写真専門学校を卒業。67年より寺山修司が主宰する演劇実験室「天井桟敷」の専属カメラマンとなる。71年よりフリーランスの写真家として活動を開始。76年、『風姿花伝』にて日本写真協会新人賞を受賞し、一躍注目を浴びる。 …