スミ版・グレイ版のダブルトーン+色ニス

10月17日刊行予定。写真家鬼海弘雄先生の最新写真集「SHANTI: Persona in India」の出張校正に伺いました(鬼海弘雄先生宅)。今年3月に刊行された「PERSONA 最終章 2005〜2018」に引き続き、今回も東京印書館で製版・印刷を手がけさせて頂いています。

製版設計は「PERSONA最終章」と同じく、スミ版+グレイ版のダブルトーン印刷+色ニスの3版を採用しています。グレイを加えることで、モノクロ写真の明部側の階調の豊かさと暗部の濃度感(コク)を出します。

校正刷りに対する鬼海先生の指示(赤字)に対して、PD高栁が青字で具体的な修正指示を書き込んでいきます。

HP-(マイナス)4% MT-(マイナス)3〜4% とは

例えばこちらの写真。「子供2人を明るく」という赤字に対して、「指示人物(2人)のみHP-(マイナス)4% MT-(マイナス)3〜4%」という青字が入ります。どういう指示なのか、少しだけご紹介したいと思います。
 
HP-(マイナス)4%
HPというのはハイライトポイント(写真の中の最も明るい部分)の網点パーセンテージを4%引く、という指示です。

MT-(マイナス)3〜4%
MTはミドルトーン(中間調)ハイライトとシャドー(暗部)の中間の領域を指します。ここを3%から4%引く、という指示になります。

B(ブラック)やG(グレイ)といった明確な指示がないので、この場合はスミ、グレイ版の両方に対する指示ということになります。

ということで、写真集「SHANTI: Persona in India」の出張校正について少しだけご紹介させて頂きました。来週はいよいよ印刷本番。上記の青字も反映された版で印刷に臨みます。ご期待下さい!

鬼海弘雄写真集『SHANTI: persona in india』解説=いしいしんじ