SOUL OF ANIMALS  肉体の奥に秘められた魂に焦点を合わせる

著者:前川貴行

編集:藤森邦晃
デザイン:中島浩
協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

発行日:2020/7/21
発行:日本写真企画
判型:A5縦判(210×148mm)
頁数:304頁
用紙:b7トラネクスト、NTラシャ 漆黒、ヴァンヌーボVG スノーホワイト
製版・印刷:本文はプロセス4C、スミ、表紙は特色1C(シルバー)、カバーはプロセス4C+グロスニス
製本:無線綴じPUR製本

写真家・前川貴行さん著の「SOUL OF ANIMALS 肉体の奥に秘められた魂に焦点を合わせる」をご紹介いたします。

前川氏初の小型サイズでありながら300ページのボリュームで堪能できる写真集。写真雑誌『フォトコン』で2011年と2014年から現在まで連載中の「SOUL OF ANIMALS」を一冊にまとめた写真集です。世界各国で出会った動物たちと向き合い、カメラで切り取った臨場感豊かな写真と、その時に感じたこと、その空間に身を置いたことで気付いた感覚、そして飛躍した発想など、写真家の心の動きを丁寧に書き上げた文章で綴られています。


動物の写真を撮る意味とは、地球に暮らす動物の生命とは、さらには人間とは何か、といったことまでを考えさせられます。これまで大判の写真集を刊行してきた前川氏にとって初めてA5サイズでありながら、300ページを超える分厚さでずっしりとした手触りで、前川氏の世界観を堪能することができます。

写真の圧倒的な臨場感を引き出すために、特に目元(眼球の色)の諧調や動物固有の毛や羽の色を自然色の中で再現することに注力しました。カバー写真のアメリカンブラックベアーが鮭を加えた写真などに象徴されるように、熊の毛並みの黒と銀色に光る鮭、その鮭からしたたり落ちる血とのコントラストは強烈な印象を残します。

写真集のページをめくるたびに、野生動物のいきいきとした表情やたくましい生命力、美しくも厳しい自然との対比に息をのむことでしょう。前川さんが長年にわたり、動物たちと魂の交流を続けた記録であるこの写真集をぜひご覧いただきたいです。