中銀カプセルタワービル 最後の記録/中銀カプセルスタイル 20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー

発行日:2022/3/1
発行:草思社
判型:A5横変型判(198×220mm)
用紙:b7トラネクスト、OK特アートポスト+、ミルトGAスピリット スーパーホワイト
製版・印刷:本文はプロセス4C、スミ、表紙、帯はプロセス4C+マットニス、カバーはプロセス4C+マットニスにUVグロスニスを厚盛印刷
製本:無線綴じPUR製本、オープンバック

草思社様刊、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト編の「中銀カプセルタワービル 最後の記録」「中銀カプセルスタイル 20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー」の印刷、製本をお手伝いさせていただきました。

「中銀カプセルタワービル 最後の記録」は、1972年に竣工した、黒川紀章設計の日本建築史に残る名作で、2022年に解体される中銀カプセルタワービルの写真400枚以上、114カプセルを収録する 、最大にして最後の記録集です。

2本の論考(松下希和氏、鈴木敏彦氏)、黒川紀章の子息である黒川未来夫氏とメタボリズム研究の大家である八束はじめ氏の対談も収録 、これ以上ない内容です。カプセルタワーは、解体後にカプセルの再利用が予定されています。「中銀カプセルタワービル」としての最後の姿を、存分に御覧ください。

本書あとがきで、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表の前田達之氏は、以下のように記されています。「解体はされますが2022年は中銀カプセルタワービル竣工50周年の記念すべき年です。本書の出版を筆頭に、企業や団体の協力により様々なイベント等が展開されます。また実物のカプセルとみんなの思いは、日本はもちろん海外にも引き継がれていきます。これがきっかけで新たなクリエイターやアーティストが誕生し、メタボリズムの思想を引き継いだ「シン・カプセル建築」が生まれる、そんなワクワクする未来が訪れることを願っています。 」

「中銀カプセルスタイル 20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー」はこれから遡ることおよそ2年前に出版された書籍。解体が迫りつつも、設計当時には想定されていなかった円窓の「動画映え」やコロナ下でのセカンドオフィス、DIYなど、最新潮流にこそカプセルの思想が生かされており、カプセルタワーのコンセプトの驚異の先見性が、新時代の生活で開花したさまを、 美麗写真で20部屋紹介。その住人のライフスタイルも垣間見ることのできる貴重な1冊です。

「中銀カプセルタワー 最後の記録」ではカバーの文字部分に厚盛ニスを印刷し、凹凸を出して立体感のある印刷にしています。また2冊ともに本文の写真については、記録として残すものであるという意図を汲み、あまり色を強調せずに今の状況が伝わるようトーンをそろえて、製版、印刷を行いました。

「メタボリズム=新陳代謝」の代表的建築である「中銀カプセルタワー」は解体後、世界各地の美術館や博物館にカプセルが散らばっていくようです。そうして散らばったカプセルによって、世界中にメタボリズムの思想が継承されていくのは素晴らしいことです。

中銀カプセルタワーの最後の記録と、そこに暮らした人びとの生活を収めた貴重な記録写真集を眺めることで、黒川紀章のこのデザインが「移動し続ける人類=ホモ・モーベンス」が生きる未来を想定した姿であったという先見の明に驚かされます。ぜひこの2冊をごらんいただき、メタボリズム建築を皆様の記憶にもとどめていただければと思います。

中銀カプセルタワービル 最後の記録

編:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト(代表・前田達之/プロデューサー・菅井隆史)
写真:永禮賢
論考執筆・対談協力:松下希和(芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科 教授)/鈴木敏彦(工学院大学建築学部建築デザイン学科 教授)/黒川未来夫(株式会社 MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO 代表取締役)/八束はじめ(芝浦工業大学 名誉教授)
実測・作図協力:芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科 松下希和研究室/工学院大学建築学部建築デザイン学科 鈴木敏彦研究室
装幀:上清涼太