40年にわたり富士山の姿を捉え続ける写真家大山行男先生の最新写真集「神さぶる山へ」の印刷を弊社でお手伝いさせて頂きました。

写真集を開くと神々しくも時に猛々しく、妖艶な富士山の美しさと迫力に圧倒されます。本作品はモノクロとカラーが混在する構成になっており、宇宙的な広漠を感じさせる火口の風景から、鮮烈な色彩が蠢く樹海の佇まいに到るまで、富士山の多元性をより感じさせる作品になっています。

“色彩表現を階調表現に置き換える”

モノクロの写真はRGBのカラー写真をグレースケール化した上で、CMYKモードでスミとグレーのダブルトーンに分版しています。ただし、カラー写真を単純にグレースケール一色にしてしまうと、色彩情報が失われることで平坦でのっぺりとした印象になりがちです。

不自然にならないよう立体感・コントラストをつけるにあたっては、色彩表現を階調表現に置き換えるという極めて繊細なレタッチワークが必要になります。

非常に難易度の高い仕事ではありますが、我々印刷会社は大前提として著者様の表現の意図、作品における重要なポイントを全力で汲み取らなければなりません。

大山先生には本番の印刷現場にもお越し頂き、最終的な仕上がりに100%ご満足頂けるまで濃度・色調の調整をさせて頂きました。

神々しくも時に猛々しく、深遠な富士山の魅力を強烈な臨場感で体感できる写真集「神さぶる山へ」。一人でも多くの方に手にとって頂きたいと思って止みません。

「神さぶる山へ」は大山行男先生の公式ホームページからご購入頂けます。また、2019年3月13日(水)~3月25日(月)までリコーイメージングスクエア大阪にて写真展「富士 神さぶる山へ」も開催予定です。